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Tシャツの起源

 

Tシャツは、アメリカ海軍の船内で、船乗りたちに下着として愛用されたことがはじまりと言われています。 白いフレアズボンとともに、白い肌着が、船内で重労働を行なう上で最適な服でした。軽く、動きやすく、そして洗えば短時間で乾く。 着替えも簡単。タオルにも使え、ときには白旗にもなる。その機能性の高さが船乗り達の心をつかんだのです。

世界を航海し、戦った海軍の船乗りたちは、アメリカ人にとってのヒーローでした。 自由で、独立心旺盛で、勇気があって賢い。退役し、陸に上がった英雄たちは、その太くたくましい腕をTシャツの袖から覗かせて街中を凱旋したのです。 その健康的なエロティシズムを感じさせる姿に、階級を問わず、アメリカ人の憧れを感じていました。

そうして第一次世界大戦中の1930年頃、下着製造会社だったヘインズ社がそれをコブ・シャツ(水兵シャツ)と名付け、販売を開始。 これがスポーツやレジャーのためだけにデザインされた“Tシャツ”の起源と言われています。

ファッションとTシャツ

 

最初にTシャツがモード界でベーシックアイテムとして登場したのは1960年代。 さまざまなデザイナーズブランドがTシャツを発表するようになっていきました。 しかし、ファッション界が本格的にTシャツを取り入れたのは、1970年代に入ってからになります。

70年代前半のヒッピー達による「ラブ&ピース」運動や、70年代後半のパンクムーブメントなど、 自由を求める思想とTシャツが見事にマッチしたのです。人々の態度やライフスタイルの変化に敏感なファッション界が、Tシャツを重要なアイテムとして認知した時代です。

80年代のファッションがよりスポーティに移行すると、多くのブランドがスポーツウェアに力を入れ始め、 ブランドの力でTシャツもファッショナブルな存在となっていきました。 メンズの枠を超え、Tシャツを多くの女性達が着こなすようになったのもこの時代です。

90年代に入ると、80年代で興った様々な変化がさらに混合されてゆきます。 カジュアルに着こなされていたTシャツに、ジョルジオ・アルマーニや山本耀司らにより、スーツにTシャツを合わせるミニマル・ファッションスタイルが提案されました。 環境問題やリサイクルへの関心も高まり、オーガニック綿を利用したTシャツが登場したのもこの時代です。

そうしてTシャツは、カジュアルフライデーの普及などからビジネスの場にも登場し、 今ではラグジュアリーTシャツとして多くのデザイナーがコレクションで発表するようにまでになりました。ファッションにおけるTシャツのユニークさとは、時代のさまざまなシーンで流行と相反する役目を果たしてきたことにあると言えます。 流行にとらわれない自由さを持つからこそ、どんな流行にも取り入れられる。 ちょうど次の日にTシャツを着替えるように、だからこそTシャツは、いつでも新しいのかもしれません。

プリンタブルとしてのTシャツ

 

1998年、ノヴァ・デヴェロップメント社は、PCを使って自分でTシャツをデザインできるキットを開発しました。 3000種類の既成のデザイン、2万種類の画像転写シートをセットにし、あっという間にプロ並みの仕事ができるこのキットは、生活者の心をつかみました。

プリント技術とデジタル化の発展により、誰もがプリントTシャツを手軽に作れるようになり、カスタムメイドTシャツが盛んに作られるようになりました。

こうした流れが、イベントTシャツの誕生を促しました。DJのライブのため。映画やアニメのプロモーション媒体として。音楽フェスティバルの記念品として。 ショップの開店記念として。高校や大学の文化祭で。仲間同士のコミュニケーションの道具としても、ビジネスやエンターテイメントとしても、幅広く利用され、 プリンタブルウェアとしてのTシャツは、生活者の毎日に溶け込んでいます。自由で、カジュアルで、シンプル。そして、いつも新しい。 

だからこそTシャツは、これからもプリンタブルウェアの原点としてあり続けることでしょう。

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